手技療法では通常禁忌とされる症状に対して、
逆に適用となるのが世界で一番軽いタッチの
ボッダー式MLDでしょう。
正式には
Dr.Vodder‘s Manual Lymph Drainage
ボッダー式用手的リンパ排液法
と言います。
例えば皮膚が炎症を起こしているときや、
捻挫でパンパンに膨らんでしまった足首の腫れや痛み、赤みを鎮静させ、治癒を促進します。
なぜそれが可能なのでしょうか?
最も細いリンパ管は直径が平均80㎛~100㎛ほどなのに対し、
最も細い毛細血管は約8~10㎛、
赤血球がぎりぎり通過できる太さしかなく、
しかも、血管壁は小さな物質しか通り越すことが出来ません。
この構造の違いから、組織から炎症物質、発痛物質、
過剰にたまった水分を吸収する能力はリンパ管は血管にくらべはるかに高いのです。
ボッダー式MLDは可能な限り最低限の刺激で
このリンパ管の機能を大幅に高める療法です。
薬も基材も使用せず、素手のみで行うのに大きな変化が起きます。
まるで魔法のようですが、明確な解剖生理学的機序があるのです。
1930年代にデンマーク人のエミール・ボッダー博士が
編み出したこの療法は90年近くたった今でも、
世界中の病院やクリニック、サロンで使用され続けているのです。