浮腫と言えば通常は皮下浮腫の事を指し、浮腫の様々な種類と成因についても、医療用リンパドレナージを学ぶ際には知識として必ず教わるものです。
それを知識で終わらせるのではなく、施術の実践で活用するためには、クライアントや患者の浮腫みだけを見るのでは不十分です。
その方の生活、既往歴、現在の身体の状態、治療中の疾患、ADLなどを考慮して施術アプローチや手技を選び、応用する力が必要になります。つまり、自分が持っているたくさんの知識の中から必要なものを取り出し、結び付け、考え、応用する能力が必要です。
特に高齢者のクライアントの場合、長年生きてきた分、色々な故障や身体機能や循環機能の低下もあります。ですので、一口に浮腫みと言っても、廃用性の浮腫み、関節炎の浮腫み、サルコペニアで筋肉量が低下して起きる静脈性の浮腫みを複合的に起こしている場合があり、そのうえに関節が固まって通常の施術体位をとれないこともあったりします。
幸い、ボッダー式MLDではそれらに対応するためのテクニックは多くあります。
要は、それをどんな場面でどのように使うかを思い出し、施術に用いる圧も浮腫の原因によって調整することができたなら良い結果を出すことが出来るのです。高齢者には根気よく優しく、場合によっては関節を動かしながら通常以上に何度も同じところを繰り返し施術するなどのアプローチが必要です。
しかし、高齢者を見ていると、シニア時代を元気で楽しく暮らすためには筋肉を鍛えることはマストであるとつくづく思います。私は生きている限りはできるだけ元気でいたいので、筋トレ頑張って続けます!